金澤の文豪・泉鏡花が愛した 加賀棒茶の香り
金沢では古くから焙じ茶を飲む習慣があります。特にお茶の茎の部分を焙じたものが好まれ、スッキリとした飲み口と芳ばしい香りが特徴で、“棒茶”と呼ばれて親しまれています。ペットボトルのお茶が多い中、近年では加賀棒茶という名で県内外の多くの人たちにも楽しんでいただけるようになりました。加賀棒茶は、雁ヶ音と呼ばれる玉露や高級煎茶用の茶葉の茎を使って作られています。雑味がなく、旨味や独特の風味があり、焙じることでカフェイン成分が焼成して無くなるため、乳幼児にも安心して飲ませることが出来ます。
上林金沢茶舗は、創業450年の京都・宇治の老舗「上林春松本店」から暖簾分けして金沢で開業したお店で、現在、30代の織田聡氏が3代目当主を務めています。
泉鏡花が生まれた町、金沢市下新町にある本店では、子供からお年寄りまで幅広い年代の人たちにお茶に親しんでもらいたいとの思いを込めた、喫茶スペースをつくり加賀棒茶の普及にあたっています。